2026/02/07 Sat 玻璃紺青と露、しあわせな日常を送るのだろうと思っている。もう忘れないで、傍に居て。これって玻璃紺青が露に願っていることで、言葉にはもうしているかもしれない。だけどその真意を露が知ることはあるのだろうか。僕を忘れないで。もう二度とひとりにしないで。三途の川は渡せない、貴女を手放せない。それでも僕は。 #かみさまとひと
2026/02/07 Sat #それは家族にも似ている 瑠璃と琥珀。雨と骨。 続きを読む「昔はさあ、亡骸なんてそのままだったじゃない。今ではそんなことないけど」 「それで」 「僕は、あなたと一緒の場所で眠りたいと思っているんだ。これは何なのか教えてほしい、ねえ、たすけてよ」 唇をなぞる指先が冷たい。言葉を封じられて、瑠璃露は黙り込む。その答えを知らぬと反発すれば良いか。否であろう。感情に疎いこの男は、何を教えたとて信じない。それは琥珀灯の難儀な部分だ。何をまた引き摺って生まれてきたのか。問いの答えを知りながら瑠璃露は黙る。首筋を噛まれながら、黙っていた。 *** 最近は雨が多い。窓を叩く激しい雨粒は、誰の仕業で降っているのだろうか。 「難儀だねえ、琥珀灯」 菫青露が微笑み、琥珀灯は眉を顰める。中庭では、灰色の蔦を蔓延らせたシャンデリアが、くすんだ蝋燭を灯して微かに揺れていた。 「何がです。僕は何も」 「思慕と恋慕の違いくらい、理解をしていても困らないとは思うよ」 かしゃん。古びた窓硝子の砕ける音がした。